当院の特徴
当院の3つの特徴
アレルギー疾患
検査の必要性
アトピー性皮膚炎や花粉症に罹患しており、抗アレルギー剤の内服治療が必須の方がいらっしゃいますが、抗アレルギー剤は症状が出てから内服を開始してもあまり効果は得られません。
抗アレルギー剤や抗ウイルス剤などレセプターに競合的に結合することによって効果を発現するような薬においては症状が出る前からあらかじめ内服を開始することが大事です。
当院では特にアレルギーの原因となりやすい39種類のアレルゲンを、少量の採血で測定できる特異的IgE抗体検査「View 39」を実施しています。ハウスダストや花粉などの吸入系のアレルゲン19種類に加え、食物系のアレルゲン20種類を同時に測定することができるため、幅広いスクリーニングが可能です。
例えば花粉症の患者で、あらかじめ原因がある程度わかっていれば早期から抗アレルギー剤の内服を開始することもできます。
じんましんは非アレルギー性のものとアレルギー性のものと大きく二つに分けられますが、アレルギー性のものであればアレルギー検査で調べることができます。
また花粉症やラテックス(ゴム)アレルギーのある人が、果物・野菜・穀物を食べた際に、アレルギー症状(口や口周囲の掻痒感、ピリピリ感および腫脹感、下痢や腹痛、喉頭浮腫、鼻水、結膜充血、蕁麻疹や喘息、ときにアナフィラキシー)を示すことがあり、口腔アレルギー症候群(OAS, oral allergy syndrome)と呼ばれています。
構造が似ているアレルゲンに反応する交差反応が原因と考えられています。
アレルギー検査を通して口腔アレルギー症候群が見つかることもあります。
例えばシラカンバ・ハンノキ花粉症の方はリンゴ・モモ・サクランボといった果物に反応することがありますし、イネ科花粉症の方はトマト・メロン・スイカ・オレンジ、ラテックスアレルギーの方はアボガド・クリ・バナナ・キーウィに反応することがあります。
こうした果物を食べて口の中がかゆくなった経験がある方はほおっておくと喘息のような症状や喉頭浮腫など重篤なものになる可能性もありますので、是非アレルギー検査を受けてみてください。
紫外線治療
紫外線の効果としてはT細胞や樹状細胞などの免疫細胞に働き、免疫反応を抑制する効果と、皮膚の神経線維の退縮を誘導し、かゆみを抑える効果がわかっています。
誰でもかゆくなると皮膚を引っ掻きますが、搔きすぎると強い痛みに代わりますので掻くのを止めます。一方、アトピー性皮膚炎においては痛みが出るとさらにかゆみの物質が出てさらにかゆみが強くなるため、掻くことを止められずに搔き続けることになります。
また、アトピー性皮膚炎のかゆみはヒスタミンによるかゆみではないため抗ヒスタミン剤では効かないことが知られています。
神経伸長因子(NGF)と神経反発因子(セマフォリン3A)という物質が表皮細胞などから分泌されており、この二つのバランスによってかゆみを感じる神経線維の表皮内侵入は制御されています。NGFが多ければ神経線維は表皮内に入っていきますし、セマフォリン3Aの方が多ければ、神経は表皮の中に入ることができません。
アトピー性皮膚炎においてはNGF優位になっているため、かゆみを感じる神経線維が表皮内に伸長して皮膚の表面近くまで伸びてきているため、強いかゆみを感じます。
このかゆみを抑えるのが、ナローバンドUVBやエキシマライトなどの紫外線治療です。
これらの紫外線治療はNGFとセマフォリン3Aのバランスを整えることによって神経線維の表皮内伸長を抑え、かゆみを抑えます。
もちろん、上記の免疫反応抑制効果によってもアトピー性皮膚炎の改善を誘導することが知られており、実際紫外線をしばらく定期的に照射することで数か月程度の寛解期間が得られます。
またナローバンドUVBやエキシマライトは炎症や発がんを誘導する300nm以下の波長をカットしていて治療効果の高い波長のみを照射できますので、非常に安全に効果的に治療することができます。
当院では最新のエキシマライト治療器であるセラビーム®UV308mini LEDを導入しました。
エキシマライトは308nmの紫外線で、ナローバンドUVBと同様アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、尋常性白斑、掌蹠膿疱症、円形脱毛症などに効果があります。
従来のエキシマランプは放電ガスにキセノンを用い、高輝度の光を短期間で照射できるため、一回の照射が数秒とナローバンドUVBなどと比べて照射時間が100倍以上短縮しました。
今回我々が導入したセラビーム®UV308mini LEDにおいては光源をLEDとすることで一回の照射が一秒以下と従来機であるセラビーム®UV308miniと比べて数倍(約4倍)照射時間が短縮しました。
アトピー性皮膚炎でかゆみが強く悩んでいる方にぜひとも紫外線治療を受けていただきたいと思います。
美容皮膚科
Qスイッチルビーレーザー
メラニン色素に非常に吸収が良く、ヘモグロビンの吸収が少ない波長の光(694nm)を、Qスイッチという超短時間に高いピークパワーで照射する機器です。レーザー光のパルス幅が非常に短いため(パルス幅は20ナノ秒、ナノ秒は10億分の1秒、20ナノ秒は5000万分の1秒)、非常に小さなエネルギーで非常に高いピークパワーが得られます。このため、高いパワーによってシミの元になるメラニン色素を確実に破壊しますが、周囲への熱の拡がりが非常に少なく、周囲の正常組織へのダメージを最小限にできます。
【適応疾患】
・老人性色素斑
・後天性真皮メラノーシス (ADM)
・小さくて平らなほくろ
・口唇メラノーシス
・太田母斑
・異所性蒙古斑
・外傷性刺青
・扁平母斑 (2回まで)
【保険診療】
太田母斑・異所性蒙古斑・外傷性刺青・扁平母斑(2回まで)に関しては保険治療になります。3割負担の場合、一回の照射で大きさにより6,000~11,850円かかります。
【保険外診療】
上記疾患以外に対しては自費診療となります。
【施術までの流れ】
施術前に通常の保険診療でカウンセリングを行います。カウンセリングで照射範囲や費用についての説明を行い、予約を取ります。施術日は化粧をせずにお越しください。
【施術とそれに伴う痛み】
施術は基本的に麻酔無しで行われますが、局所麻酔下で行うことも可能です。麻酔無しで行う場合、保冷剤で冷やしながら照射します。その場合、輪ゴムではじかれたような痛みがあります。少しヒリヒリ感が続くこともあります。照射後は患部を5~10分、アイスパックで冷やします。
【施術後の処置】
レーザー治療後、照射部はやけどの状態になりますので、医師の指示に従って処置をしていただきます。具体的には処方された軟膏を患部に塗布した後、フィルム付ガーゼで保護していただきます。一週間から10日でかさぶたの状態になりますので、かさぶたは、無理にはがさずに自然にはがれるようにしてください。レーザー治療のあとは、肌が光線に対して敏感になっています。特に紫外線に対しては、十分な注意が必要です。かさぶたが取れた後、外出の際等には日焼け止めクリームなどを塗って、紫外線が当たらないようにしてください。
レーザー照射部は炎症後色素沈着が起こり一時的に黒くなりますが、3か月から6か月かけてゆっくりと薄くなります。しかし何度も炎症後色素沈着を繰り返すと色が取れにくくなってきますので、再照射が必要な場合でも照射した時点より少なくとも3か月以上の期間を空けて照射します。
後天性真皮メラノーシスは照射後徐々に消失するため、消失するまでに何か月もかかる可能性があります。
【肝斑】
前述の老人性色素斑や後天性真皮メラノーシスに肝斑が合併していることが多々あります。その場合、肝斑がレーザー治療の効果を削いでしまうため、まず肝斑の治療としてトラネキサム酸(トランサミン)などの内服をしていただく場合があります。
黒子に対するくりぬき法とCO2レーザー
顔の小さな黒子を取る方法として「くりぬき法」と「炭酸ガス(CO2)レーザー」があります。
くりぬき法は3mmの穴を空けて黒子を取る方法で長所としては傷が小さく済むことです。
一方、欠点として中心部分がわずかに陥凹して段差ができることがあります。
小さな段差ですが鼻の頭など場所によってはこの小さな段差が目立つこともあります。
3mm以下の小さな黒子のみが対象です。
炭酸ガスレーザーによる黒子の除去は黒子を熱エネルギーによる蒸散作用により取り除きます。炭酸ガスレーザーによる黒子の治療においてはくりぬき法の時のように中心部分が陥凹しないように周りの皮膚も焼きます。
ですので、くりぬき法と比べると傷の大きさが大きくなりますが、くりぬき法の時のような段差はできにくいです。
また3mm以上の大きな黒子も治療可能です。
それぞれ長所・短所があり、値段も変わってきますので、まずは皮膚科専門医にご相談ください。