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実はとても恐ろしい、高齢者の皮膚における乾燥~加齢に伴う乾燥とその対策~

[2025.02.01]

加齢に付随する皮膚の乾燥化

歳を重ねるにつれて、皮膚のうるおいを保つ皮脂や天然保湿因子、角質細胞間脂質などが減少し、皮脂分泌機能や水分保持機能が低下することで、皮膚の乾燥が乾燥しやすくなります。

ホルモンバランスは、皮脂の分泌量に関係していることが明らかとなっていますが、内分泌腺の一つである生殖腺から放出される「性ホルモン量」の減少に伴い、皮脂量が低下し、それに付随して、お肌の乾燥が進んでしまうのです。

乾燥が進むと、ひび割れや皮膚のバリア機能が低下し、使い慣れた化粧品の成分でお肌がかぶれるようになったり、髪や衣服などが触れる程度の少しの刺激に対しても、皮膚が過敏に反応するようになり、結果として、赤みやかゆみが起こります。また、肌の表面がざらざらとしたり、無数にヒビ割れが生じる症状が悪化する皮脂欠乏症(老人性乾皮症)になります。そうなると、上記の症状に加え、肌表面に白い粉をふいたような「鱗屑(りんせつ)」が生じたり、症状がさらに悪化すると、かゆみや赤みが重症化し、それを搔いてしまうことで炎症が起こり、貨幣状湿疹や皮脂欠乏性湿疹へと進行する恐れもあります。

 

 

一旦発症してしまうと、こうした状態に悪化するまで、放っておかずに、気づいた時点で早め早めに対策を施すことが大切です。

以下に、皆様ご自身で実践いただける対策・予防法をご紹介いたします。

 

もちろん当院でも、ご高齢の皆様のみならず、年代問わず、皮脂欠乏症が発症したおそれがある方を含めて、お肌に異変が生じたように感じておられる皆様をご診察させて頂きますので、

ご自身で対策していただくことも大切ですが、どうぞお一人で抱え込まれることなく、お気軽にご来院いただけますと幸いに存じます。

かゆみや赤みは、原因に応じた治療が行われなければなりませんが、一般的に、痒み止めと呼ばれる抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤の内服薬が処方されることがあります。先のような薬は、かゆみのために病変を掻いてしまい、皮膚が悪化してしまうという悪循環を断ち切る上で大切なことです。医師の指示に従い、適切に服用しましょう。

 

 

 

 

 

それでは、以下の予防法を一緒に見ていきましょう。

 

乾燥の予防法・対策

日常生活において注意していただきたいこと

*入浴

・熱すぎるお風呂やシャワー、長時間のご入浴はお控えください。熱すぎるお湯を浴びることで、皮膚表面の防御膜である角層が溶けてしまいます。

・石鹸は基本的に使用していただいて構いませんが、皮膚の脂を過度に取り除いてしまうような、強い洗い方・石鹸をたくさん使うことは避けてください。皮脂を取り除く力が強すぎる洗浄剤も、控えるのが賢明でしょう。ナイロンタオルや、たわしやなどの、物理的な摩擦を可能な限り避けてください。

石けんやボディーソープは、刺激が少ないものを選び、いずれもよく泡立てて泡で優しく洗うようにしてください。石けんのすすぎ残しのないようにご留意ください。

・保湿剤などは、すこし皮膚が湿っている入浴後に外用するとよいでしょう。

*衣類

肌着や寝具は、肌に刺激が少ない綿素材のものにするなど、可能な限り、衣類はチクチクしない、刺激が少ないものを選ぶようにしてください。

*加湿・暖房

空気の乾燥した冬の季節は、とりわけ皮膚の乾燥が酷くなりがちです。加湿器を使うなどして、部屋の乾燥を防ぎ、保湿するようにしてください。

また、過剰な暖房は控えてください。

*その他

食器用洗剤や洗濯用洗剤などを使用する際には、綿の手袋をした上で、ゴム手袋を着用するようにしてください。

 

 

②食生活

乾燥肌の予防には、バランスのよい食事を心掛けることが大切です。

以下は、乾燥対策によい栄養素です。●ビタミンA:皮膚の細胞の成長と分化を促進し、肌の潤いを維持&正常な状態に保つ働きがあります。
●ビタミンB:肌のバリア機能を強化し、水分の蒸発を防ぐ効果があったり、新陳代謝を活発にし、ターンオーバーを正常化してくれます。
●ビタミンC:乾燥を防ぐ上で欠かせない、コラーゲンの生成を促進してくれます。
●ビタミンE:血行を促進し、新陳代謝を活発にします。抗酸化作用を持っているため、肌のダメージや炎症を軽減してくれ、それによって、乾燥によるお肌の赤みやかゆみ、そして、刺激を和らげてくれます。また、肌の水分を保持する力を高めてくれます。
●タンパク質:お肌は、タンパク質から合成されているので、これが不足してしまえば、ターンオーバーが乱れてしまいます。
●必須脂肪酸:細胞膜の主たる材料です。
●ミネラル類:とりわけ亜鉛は肌の健康に必須です。これが不足してしまうと、皮膚炎になってしまいます。

 

これらを日々、適量摂取していただくことが大切です。

ファーストフードなどを避け、習慣的に、バランスのよい食事をお取りになられてください。

 

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