美容皮膚科
美容皮膚科の特徴について
①Qスイッチルビーレーザー
メラニン色素に非常に吸収が良く、ヘモグロビンの吸収が少ない波長の光(694nm)を、Qスイッチという超短時間に高いピークパワーで照射する機器です。レーザー光のパルス幅が非常に短いため(パルス幅は20ナノ秒、ナノ秒は10億分の1秒、20ナノ秒は5000万分の1秒)、非常に小さなエネルギーで非常に高いピークパワーが得られます。このため、高いパワーによってシミの元になるメラニン色素を確実に破壊しますが、周囲への熱の拡がりが非常に少なく、周囲の正常組織へのダメージを最小限にできます。
【適応疾患】
・老人性色素斑
・後天性真皮メラノーシス (ADM)
・小さくて平らなほくろ
・口唇メラノーシス
・太田母斑
・異所性蒙古斑
・外傷性刺青
・扁平母斑 (2回まで)
【保険診療】
太田母斑・異所性蒙古斑・外傷性刺青・扁平母斑(2回まで)に関しては保険治療になります。3割負担の場合、一回の照射で大きさにより6,000~11,850円かかります。
【保険外診療】
上記疾患以外に対しては自費診療となります。
【施術までの流れ】
施術前に通常の保険診療でカウンセリングを行います。カウンセリングで照射範囲や費用についての説明を行い、予約を取ります。施術日は化粧をせずにお越しください。
【施術とそれに伴う痛み】
施術は基本的に麻酔無しで行われますが、局所麻酔下で行うことも可能です。麻酔無しで行う場合、保冷剤で冷やしながら照射します。その場合、輪ゴムではじかれたような痛みがあります。少しヒリヒリ感が続くこともあります。照射後は患部を5~10分、アイスパックで冷やします。
【施術後の処置】
レーザー治療後、照射部はやけどの状態になりますので、医師の指示に従って処置をしていただきます。具体的には処方された軟膏を患部に塗布した後、フィルム付ガーゼで保護していただきます。一週間から10日でかさぶたの状態になりますので、かさぶたは、無理にはがさずに自然にはがれるようにしてください。レーザー治療のあとは、肌が光線に対して敏感になっています。特に紫外線に対しては、十分な注意が必要です。かさぶたが取れた後、外出の際等には日焼け止めクリームなどを塗って、紫外線が当たらないようにしてください。
レーザー照射部は炎症後色素沈着が起こり一時的に黒くなりますが、3か月から6か月かけてゆっくりと薄くなります。しかし何度も炎症後色素沈着を繰り返すと色が取れにくくなってきますので、再照射が必要な場合でも照射した時点より少なくとも3か月以上の期間を空けて照射します。
後天性真皮メラノーシスは照射後徐々に消失するため、消失するまでに何か月もかかる可能性があります。
【肝斑】
前述の老人性色素斑や後天性真皮メラノーシスに肝斑が合併していることが多々あります。その場合、肝斑がレーザー治療の効果を削いでしまうため、まず肝斑の治療としてトラネキサム酸(トランサミン)などの内服をしていただく場合があります。
②黒子に対するくりぬき法とCO2レーザー
顔の小さな黒子を取る方法として「くりぬき法」と「炭酸ガス(CO2)レーザー」があります。
くりぬき法は3mmの穴を空けて黒子を取る方法で長所としては傷が小さく済むことです。
一方、欠点として中心部分がわずかに陥凹して段差ができることがあります。
小さな段差ですが鼻の頭など場所によってはこの小さな段差が目立つこともあります。
3mm以下の小さな黒子のみが対象です。
炭酸ガスレーザーによる黒子の除去は黒子を熱エネルギーによる蒸散作用により取り除きます。炭酸ガスレーザーによる黒子の治療においてはくりぬき法の時のように中心部分が陥凹しないように周りの皮膚も焼きます。
ですので、くりぬき法と比べると傷の大きさが大きくなりますが、くりぬき法の時のような段差はできにくいです。
また3mm以上の大きな黒子も治療可能です。
それぞれ長所・短所があり、値段も変わってきますので、まずは皮膚科専門医にご相談ください。