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牛肉・豚肉アレルギーとマダニ刺傷

牛肉・豚肉アレルギーはα-Gal(正確にはガラクトース-α-1,3-ガラクトース)と呼ばれる糖鎖に対するIgE抗体が引き起こすアレルギー反応です。ヒトを含む霊長類および鳥類・魚類の細胞にはα-Galが発現していません。
ヒトにおいては、α-Galに対するIgG抗体、IgM抗体を生まれつき持っており、自然抗体と呼ばれます。
一方、ブタ、ウシの細胞においてはα-Galが発現しております。
セツキシマブという抗がん剤は主成分であるモノクロナール抗体Fab領域の糖鎖にα-Galを認めており、アメリカでセツキシマブを注射した後にアレルギー反応を起こす症例が見つかりました。セツキシマブに対するアレルギーを起こした患者を調べていくことでいろんなことがわかってきました。
ある種のマダニの唾液にはα-Galが含まれており、繰り返し刺されることによりα-Galに対するIgE抗体が増えてα-Galアレルギーとなる方がおり、そういった方がセツキシマブに対して反応したと考えられます。
日本でもα-Galアレルギーによる牛肉・豚肉アレルギーが報告されており、マダニ刺傷には注意する必要があります。
屋内に生息するイエダニ、コナダニは原因になりませんので、屋外で人に寄生・吸血するマダニに刺されないよう気を付ける必要があります。

解説

牛肉・豚肉にはα-Galを原因とするアレルギー反応を起こす方がいらっしゃいます。肉メニューを食べて、吐気、下痢、腹痛などの消化器症状と蕁麻疹が起きます。重症例ではアナフィラキシーショックを起こすこともあります。α-Galを原因とするアレルギー反応は、肉以外にマダニが原因となることもあります。家ダニ、コナダニは原因とはなりません。草むらや林などで、マダニに刺されないように気を付ける必要があります。なお、α-Galに対する免疫抗体検査は特殊検査ですので、専門医療機関で受診をすることをおすすめ致します。

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