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かゆみとは?【スタッフブログ】

[2024.09.10]

 かゆみは、体を守る防衛反応のひとつです。皮膚に異物が付いた際に、かゆみを感じることによって、異常が起きている場所を脳に知らせ、その異物を取り除こうとする行動を起こします。よって、かゆみは一種の生体防御反応であると言えます。

 かゆみは体の異常を知らせるサインであることも分かってきました。癌や、内臓疾患でかゆみを感じることあります。かつて、痛みの神経が感じる弱い痛みがかゆみである、と考えられていましたが、現在では痛みとかゆみを脳に伝える神経はそれぞれ別々の神経であるということが分かってきました。かゆみを伝える神経は皮膚内にあっても、実際にかゆみを感じているのは脳です。かゆみが生じている部分をかくと、かゆみが鎮まりさらにかくと痛みが生じるために掻くことを止めます。掻くと痛みの神経回路が活動し、かゆみの神経回路の活動を鎮めるからです。アトピー性皮膚炎の患者さんは、掻いてもかゆみが止まらないと訴える場合があります。この原因の一つは、痛みでかゆみが鎮まる機能に不具合が生じているのではないかと最近では考えられています。

 強く掻くと皮膚のバリア機能が低下し、体の中の水分も出てしまうことにより乾燥肌となります。バリア機能の弱まった皮膚からは、少しの刺激によっても神経を刺激することでかゆくなります。かゆいところをさらに掻くと炎症を促す物質や神経にはたらく物質も放出され、かゆみが強くなります。まさに悪循環を繰り返すことになります。

 参考までにかゆみを伴う疾病として次のようなものがあります。皮膚疾患では、乾皮症、乾癬、接触性皮膚炎、結節性痒疹、帯状疱疹などがあります。皮膚疾患以外では腎不全、肝疾患、糖尿病、がん、血液疾患、皮膚瘙痒症などがあります。

 悪循環を繰り返さないためにも、かゆみでお困りの際は当院を含む皮膚科での受診を検討されてはいかがでしょうか。

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