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【院長ブログ】分からないものは分かりません。

[2025.05.30]

こんにちは。五条桃谷皮膚科クリニック院長の前田です。

診療をしていると、ときどき患者さんにこう聞かれます。
「先生、この症状、何ですか?」「原因は何だったんですかね?」

もちろん、可能な限り詳しく診察し、検査を行い、医学的な見地からお答えしています。
ただ、正直に申し上げると、「分からないものは分からない」ということもあります。

■ 医学にも「グレーゾーン」はある

医療は日々進歩していますが、それでもすべてが白黒はっきりつけられるわけではありません
皮膚科では「赤い」「かゆい」「ぽつぽつができた」など、似たような症状が多く、原因がはっきり特定できないこともあります。

アレルギーなのか、感染なのか、体質なのか、それとも一過性の反応なのか…
時には検査をしてもはっきりしないケースがあります。

■ 無理に「断定」することの危うさ

「なんでも断定してくれる先生」が好まれることもありますが、
私たちは安易な決めつけが、間違った診断や治療につながることを知っています。

たとえば、「これは絶対に〇〇です」と言い切ってしまって、もしそうでなかったら?
患者さんの信頼を損ねるだけでなく、症状が悪化するリスクもあります。

だからこそ私は、分からないことは分からないと、正直にお伝えしたいと思っています。
そのうえで、できる限りの経過観察や再診のフォロー、検査や治療の選択肢をご提案します。

■ 迷ったときは一緒に考えましょう

私たち医師も「完璧な答え」を持っているわけではありません。
ですが、患者さんと一緒に悩み、考え、最善を探すことはできます。

皮膚の症状は、日常生活や気候、ストレス、食事など多くの影響を受けています。
だからこそ、「これかな?」「こんなことも関係ある?」と患者さんと一緒に考える時間がとても大切です。

■ さいごに

「分からない」と聞くと不安になるかもしれませんが、
それは「無責任な態度」ではなく、「正直さ」と「慎重さ」の表れでもあります。

私たちは、安易な断定よりも、安全で納得できる医療を大切にしています。

何か不安なことがあれば、遠慮なくご相談ください。
一緒に考え、必要な対応をしていきましょう。

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