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中国で流行中の「チクングニア熱」に注意!

[2025.08.08]

こんにちは。五条桃谷皮膚科クリニックです。

今年に入り、中国南部を中心に「チクングニア熱」の流行が拡大しているという報道があり、医療現場でも警戒が高まっています。

「チクングニア熱」は日本ではあまり知られていない病気かもしれませんが、実は皮膚に特徴的な症状が出る感染症で、皮膚科でも注意深く診る必要がある疾患のひとつです。

今回は、チクングニア熱について皮膚科の視点から解説します。

🦟チクングニア熱とは?

チクングニア熱は、「チクングニアウイルス」に感染することで発症します。
このウイルスは蚊(ヒトスジシマカやネッタイシマカ)によって媒介され、感染地域では爆発的に流行することがあります。

今回の中国での流行も、高温・多湿の気候や蚊の増加が影響していると考えられています。

🧳中国から帰国後の発熱や発疹は要注意

チクングニア熱は東南アジアやインド、アフリカなどで見られる病気でしたが、現在は中国国内でも感染が広がっており、日本からの旅行者や出張者にとっても他人事ではありません。

感染後、以下のような症状が出現します:

  • 突然の高熱(39℃前後)

  • 手足や関節の強い痛み

  • 発疹(紅斑や丘疹)

  • 倦怠感、筋肉痛、頭痛など

中でも「発疹」は、皮膚科医が最も注目するポイントです。

👀皮膚科で見逃したくない皮膚症状

チクングニア熱の発疹には以下のような特徴があります:

・体幹から四肢にかけて赤い発疹(紅斑)が拡がる

丘疹(小さな盛り上がり)や点状出血斑

・かゆみを伴う場合もある

手のひら・足の裏に出ることも

回復後に色素沈着や脱色素斑が残ることも

これらの症状は、デング熱やジカ熱、薬疹などとの区別が難しいこともあり、皮膚科医の観察と問診が非常に重要です。

🩺皮膚科でできる対応

当院では、次のようなケースでチクングニア熱の可能性を考慮します:

・中国や東南アジアから帰国後、1週間以内に発熱と発疹が出現

発熱がすでに下がっていても、皮疹や関節痛が持続

デング熱など他の感染症の可能性もあり、皮膚症状の経過観察が必要

皮膚症状に対しては、かゆみや炎症を抑える治療を行いつつ、必要に応じて内科・感染症科と連携して対応します。

🛡️蚊に刺されないことが最大の予防策

チクングニア熱には有効なワクチンや特効薬はありません
予防の基本は「蚊に刺されないこと」です。

渡航時の対策:

長袖・長ズボンの着用

虫除けスプレーの使用(ディートやイカリジン配合のものがおすすめ)

蚊が活発な朝夕の外出を控える

ホテル内でも蚊取りグッズを活用

🏥五条桃谷皮膚科クリニックより

海外渡航後に「皮膚に突然出た赤みやぶつぶつ」がある場合、風邪や食事、ストレスだけでは説明できない皮膚症状かもしれません。

皮膚科では、こうした症状を見逃さず、背景にあるウイルス感染の可能性も考えて診療を行っています。

中国や近隣諸国への渡航歴がある方で、発疹や関節の痛みが気になる方は、遠慮なくご相談ください。

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