夏に急増!子どもに多い「とびひ・水いぼ・手足口病」ってどんな病気?【前編】
こんにちは。五条桃谷皮膚科クリニックです。
夏になると、保育園や幼稚園、小学校の保健だよりに「とびひ」「水いぼ」「手足口病」といった名前が並ぶことが増えてきます。
これらはいずれも感染力が強く、小さなお子さん同士でうつしあってしまいやすい病気です。
今回は、「どんな病気なのか?」「見た目や症状の違いは?」をわかりやすく解説します。
似たように見えても原因や対応が異なりますので、しっかり区別しておきましょう。
とびひ(伝染性膿痂疹)
◇ どんな病気?
皮膚にできた小さな傷(虫刺されやあせもを掻いた跡)から細菌が入り込んで、皮膚がジュクジュクとただれる病気です。
◇ 主な症状
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小さな水ぶくれやかさぶたができる
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強いかゆみがある
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掻きむしると、周囲にどんどん広がる
◇ 感染経路と注意点
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タオルや衣類の共用でうつることも
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兄弟姉妹への感染がよく見られます
◇ よくある誤解
「あせもが悪化しただけかな?」と放置されがちですが、とびひは細菌感染なので治療が必要です。
水いぼ(伝染性軟属腫)
◇ どんな病気?
ウイルスによってできる小さな“いぼ”で、肌と肌の接触やタオルの共用でうつります。
プールがきっかけになることもありますが、水そのものでは感染しません。
◇ 主な症状
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小さくてツヤのある丸いいぼ
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1個だけでなく、徐々に数が増えてくる
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中心が少しへこんでいるのが特徴
◇ 感染力と広がり方
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掻いた手で他の部位に触ると増える
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湿疹・アトピーのある子は特にできやすい
◇ 気になるポイント
水いぼそのものは痛みもかゆみもほとんどないため、気づくのが遅れることもあります。
手足口病
◇ どんな病気?
ウイルス感染によって起きる夏に流行しやすい病気です。
主に乳幼児~小学校低学年に多く、家庭内感染もしばしば見られます。
◇ 主な症状
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手のひら・足の裏・口の中に小さな水ぶくれや発疹
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口の中の痛みで、食欲が落ちる
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発熱(高熱は出にくいが個人差あり)
◇ 感染経路
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飛沫感染、接触感染、オムツ交換などの便からもうつる
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熱が下がった後も、しばらくウイルスが便中に残る
◇ その他の注意点
まれに「爪がはがれる」「おしりにも発疹が出る」などの症状もありますが、ほとんどは自然に回復します。
次回はこれらの病気に対して、
・どうやって治すの?
・おうちでできる対処法は?
・いつから登園できるの?
といった疑問にお答えします。