サーファーに多い?納豆アレルギーとクラゲの意外な関係
こんにちは。五条桃谷皮膚科クリニックです。
健康食品として親しまれている納豆ですが、実は特定の人にアレルギー症状を引き起こすことがあるのをご存じでしょうか?
特に近年、「サーファーに多い納豆アレルギー」として注目されるケースが増えています。
今回はその背景や原因、皮膚症状との関係について解説します。
納豆アレルギーとは?
納豆アレルギーは、大きく2つの原因に分類されます。
-
大豆に対するアレルギー
-
納豆菌やネバネバ成分(ポリグルタミン酸:PGA)に対するアレルギー
このうち、サーファーに多く見られるのはPGAに対するアレルギー反応です。
PGAとは?
PGA(ポリグルタミン酸)は、納豆の「ネバネバ」部分に含まれる成分で、食品添加物や保湿剤にも使われることがあります。
このPGAは、実はクラゲの触手にも存在しています。
クラゲは刺すときにPGAを含む物質を放出するとされており、この成分がアレルゲンとして体に取り込まれることがあります。
サーファーに多い理由:クラゲとの関係
サーフィンなど海での活動中にクラゲに繰り返し刺されることで、PGAが皮膚から体内に侵入します。
これにより、体がPGAを「異物」として認識し、アレルギー反応を起こしやすい状態になることがあります。
その状態で納豆などPGAを含む食品を摂取すると、体が“以前に入ってきたアレルゲン”と同じものだと誤認し、アレルギー症状が引き起こされることがあります。
これを交差反応(cross-reactivity)と呼びます。
主な症状
納豆アレルギーによる症状には、以下のようなものがあります。
-
口周りのかゆみ、腫れ
-
顔や体のじんましん
-
目の充血やまぶたの腫れ
-
喉の違和感、呼吸苦
-
アトピー性皮膚炎の悪化
症状は軽度なこともありますが、重篤なアナフィラキシーを起こすこともあるため注意が必要です。
対策と検査
納豆を食べたあとに症状が出る場合は、血液検査や皮膚テストでアレルゲンを調べることができます。
特に以下に該当する方は一度検査を検討してみてください。
-
納豆だけで症状が出る(味噌や豆腐では出ない)
-
サーフィンなどでクラゲに頻繁に刺された経験がある
-
夏場にアトピー症状が悪化しやすい
原因が特定できれば、食生活の見直しや治療方針の判断に役立ちます。
まとめ
納豆アレルギーはまれなケースですが、サーファーや海に頻繁に入る方ではPGAとの交差反応により発症することがあります。
皮膚症状や体調の変化に気づいた際は、自己判断せず皮膚科へご相談ください。
当院では、アレルギーや皮膚トラブルの診療も行っております。お気軽にご来院ください。